5月7日 副会長挨拶

古野逸郎 副会長

 こんにちは! やっとゴールデンウィークも終わり、通常の忙しい仕事の毎日に戻られたことと存じます。気温も20度以上となり、里では桜が散り、山では桜が満開、落葉松の新芽が目立つようになりました。また、諏訪湖の観光船も久し振りの活況を呈するようになりました。
 今日お話しするのは「諏訪湖の水質目標達成できず 昨年度調査 高温多照が原因」という4月26日付けの「長野日報」の記事に関する事です。「昨年度の水質検査で、水の汚れを示す代表的指標であるCOD(科学的酸素要求量)と、富栄養化の原因となる全窒素・全リンの年平均値が前年より悪化し、水質保全計画で定める目標を達成出来なかった。特に悪かったのは、高温・少雨・多照だった7~10月。水温の上昇と豊富な日照で植物プランクトンが多くなり、また河川からの流入水量が少なく、湖水の滞留が長引いたことも一因というものでした。
 以前、諏訪地方事務所長さんが、卓話で「諏訪湖は平均深度が浅すぎて、湖沼法でいう湖には該当せず、単なる1級河川にしか過ぎない」云々という話を思い出しました。ということで、「諏訪湖」についてPCで調べてみると、「平均水深4.7m・最大水深7.2mの富栄養湖で、流入河川数31に対し、流出河川数が1(天竜川・釜口水門)で、かつ集水域が広く汚染物質が溜まりやすい。」とありました。
 また、「諏訪湖はかつて非常に水質の良い湖であり、江戸期には琵琶湖の瀬田や河口湖から蜆が放流され漁業も行われていた。また1960年(昭和35年)頃までは貝類が漁獲量の1/2~1/3を占め、魚類の中ではワカサギとフナが主要なものであった。ワカサギは1915年(大正4年)に霞ヶ浦から移入され、その後の諏訪湖の漁業の中心となったが、それ以前の諏訪湖の漁業はスジエビやテナガエビというエビ類と蜆が中心であった。しかしエビも蜆も1960年代には水質の汚濁のため、ほとんど絶滅してしまった。また現在ではワカサギの漁獲量もピークだった1976年(昭和51年)の1/10にまで激減しており、減少の理由はオオクチバスやブルーギルといった外来魚に依るところが大きいと考えられる。」とありました。一方、ワカサギについて調べたところ「富栄養化などの水質汚濁に対する適応力が高く、そのような湖沼で普通に見られる。」とか、ワカサギが多く獲れるがこれは「水質が悪い事を表している」との表現にもぶつかりました。
 諏訪湖にとって、誠に残念な現実です。八ヶ岳からの綺麗な水を使う我々は、出来る限り汚さないよう注意して使いましょう。


Last Update:2014年05月07日