1733回 会長挨拶

皆さんこんにちは
 さて、ご存知のとおり、ピョヤンオリンピックで小平奈緒選手が、日本スピードスケ-ト界に新たな歴史を刻まれました。小平奈緒選手がライバル韓国のイ・サンファ選手を破り、しかもオリンピックレコ-ドで堂々と金メダルを取得しました。さらにこの二人には、日韓の国民なら皆が、想像できない、深い絆がありました。その感動エピソ-ドが紹介されていましたので、ご披露したいと思います。
 日本選手団の主将で、国内外で同種目24連勝中の小平奈緒選手(31歳相澤病院)が36秒94の五輪新記録をマ-クし、スピ-ドスケ-ト女子では初となる金メダルを獲得しました。ライバルで五輪3連覇を狙う地元韓国の女王イ・サンファを破っての快挙でした。
 大会は、小平選手が五輪新記録を、打ち出した直後、歓声に沸く日本人ファンらに対し口元に指をあて、静かにするように求めたジェスチャ-も話題になりました。小平選手の直後に、サンファ選手の組のスタ-トを控えていたことから、スタ-トに影響がでないようにする気配りが、小平選手の人間性も、金メダルと称えました。
 レ-ス直後、親友の2人はレ-ス後、自然に歩みより、勝っても、負けても、変なオ-バ-アクションもなく、お互いに笑顔で健闘を称えました。誰がみても美しい光景であり、レ-ス後3連覇を逃がしたサンファ選手は涙、小平選手はそのサンファ選手のもとに向かい、抱きしめて言葉をかけます。かけた言葉は「地元開催の韓国五輪で、サンファの受ける重圧はすごいものだった。すごく、たくさんの重圧の中で、よくやったね、私は、まだあなたのこと、まだリスペクトしているよ」と尊敬の言葉をかけ、サンファ選手の涙顔から、笑顔に変わり、2人での、ウィニングランは、「2人の友情にアイスリンクもとける」ほどでした。
 世界の舞台で長く争ってきた2人。500メ-トルでは圧倒的な力を誇ってきたサンファ選手。ただそのアスリ-トとしての姿勢は、小平選手にとっても憧れの選手でした。2人並んでの記者会見、小平選手が「サンファはいつも親切なんです。3年前にソウルの世界選手権で、私が初優勝した時、すぐにオランダに戻らなくてはいけなくて、大会の会場から空港までのタクシ-を呼んでくれて、また、お金も出してくれた。レ-スの結果は悔しいはずなのに、真摯に「奈緒のために」と思う気持ちが、それがすごくうれしかった。」と思い出を語れば、サンファ選手もまた小平選手の姿勢を尊敬の念を示しました。「奈緒さんとレ-スをして、気分が悪い気持ちになったことは1度もない」また「タクシ-代は確かに払った。レ-スに負けても、奈緒さんを嫌いになる気持ちはまったくなかった。いい友達だから、彼女のライバルであることに、誇りを持っています。」と笑顔で答えました。
 さらに、2年前、カザフスタン共和国のアスタナでバスを待っている時、奈緒さんと写真を撮りました。奈緒さんはその時、「次の五輪では、サンファが、勝って私が2位ね」と言いました。私も「それなら奈緒が勝って私が2位でいい」と二人でむきなって、言い合いました。今となっては、とても懐かしい思い出を披露しました。
 最後に、同世代で、ずっと世界のトップで、競い合ってきた2人、お互いを認め合い、2人絆は、ずっと深かったと思います。リンクを離れ、親友に戻った2人が、お互いの手を握り合いながら、ずっと笑い合いながら記者会見をしていたのが、印象的でした。
以上で会長挨拶と致します。ご清聴ありがとうございました。


Last Update:2018年03月29日