1737回 会長挨拶

皆さんこんにちは
今日の例会の唱歌、『春の小川』は、作詞:高野辰之、作曲:岡野貞一のコンビによる日本の童謡の唱歌です。1912年発表。作詞家の高野辰之さんが当時住んでいた東京都渋谷区代々木の周辺を流れる河骨川(こうほねかわ)、と宇田川の情景を歌ったものと言われています。
現在、河骨川、宇田川のほとんどは、コンクリ-ト製品によりフタが閉まった状態で、井の頭通りの道路の下を流れ、渋谷駅東口の北側で渋谷川と合流します。
この渋谷川は、デパ-トで地下がなくて有名な渋谷の東急百貨店と「春の小川」の意外な関係がありました。東急百貨店の東館には、何故か百貨店にツキモノのいわゆる「デパ地下」がありません。これは、先ほどの河骨川、宇田川が合流した渋谷川が地下に流れているためです。地上に百貨店がある川は、日本広しと、言えども、渋谷川だけです。
また、同じく渋谷の西武百貨店のA館とB館の間には、複数の連絡橋がありますが、地下の連絡通路がありません。これは、A館とB館を隔てる井の頭通りの下に、コンクリート製品によりフタが閉まった状態の渋谷川の合流前の宇田川が流れているからです。
コンクリートに囲まれて下水道化した宇田川は、もはや自然の「川」の面影はどこにもありません。さらさらと流れていた「春の小川」の流れは、皮肉にもその上を慌しく行き交う、都会の人々の流れに変わってしまいました。
 以上で会長挨拶と致します。ご清聴ありがとうございました。


Last Update:2018年05月18日