本日は伊勢原ロータリークラブの皆様、遠路お越し頂き有難うございます。心より歓迎申し上げます。折角いらして頂きましたので、茅野クラブの青少年奉仕活動の一つをご紹介したいと思います。
茅野クラブは東海大三高等学校のインターアクトクラブを提唱してありますが、その他30周年の記念事業を契機として、茅野市における中高生の居場所である「CHUKOらんどチノチノ」の支援を行っております。昨年度行なわれましたIMにも、高校生のバンドに出演して頂いております。
茅野市は今から約13年前に、こども家庭応援計画(通称どんぐりプラン)を立ち上げました。このこども家庭応援計画の中で、中高生の支援が最も難しい分野となっておりましたが、茅野市は全国的にもまだあまり普及していなかった中高生の居場所の開設に踏み切りました。何故茅野市がこの施設を開設したかについては、「子どもの権利条約」が大きく関係しております。
約20年前の1994年、日本政府は国連の子どもの権利条約を批准致しました。この子どもの権利条約は第1条から第54条にわたるもので、4つの柱から出来ており、「生きる権利」「守られる権利」「育つ権利」「参加する権利」となっております。このうち最近注目されているのが「参加する権利」です。これは、子ども達は自分に関係のある事柄について自由に意見を表したり、集まってグループを作ったり、活動することが出来ます。その時には家族や地域社会の一員としてルールを守って行動する義務があります。この中で特に目を引くのは、第12条の「意見表明権」と第13条の「表現・情報の自由」であります。
「CHUKOらんどチノチノ」は子どもの意見表明又は表現の自由の場として、早くから全国に先駆けて誕生した先進的な施設であります。又、運営の基本は子ども達が自分のことは自分で行う自治の精神をベースにしております。この施設については毎年全国から50組前後、延300人の施設見学者が来場しておりますが、同じ様な子ども達に任せる施設は全国的にまだあまり多くありません。
昨年長野県は6月に「長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例」を制定しました。子ども自身の生きる力や育つ力を大人が受け止めて、これを支援していく条例です。この目玉は第11条の「子どもたちの社会参加への促進」と第12条の「子どもが安心することが出来る居場所の整備」であります。長野県もやっと重い腰を上げました。
どんぐりプランの委員は、13年前に茅野市で一番にぎやかな場所に、子ども達が集う施設の設置をお願い致しました。街のにぎわいは大人ではなく子ども達が創設するものだからです。幸いにも、茅野市は全国でも一早くこの問題に取り組みました。茅野ロータリークラブは30周年の記念事業として、この施設に支援を表明し今年で5年目となります。子どもは未来の茅野市を支える宝であります。どうかこれからも子ども達を温かく見守って頂くことをお願いしまして、会長の挨拶としたいと思います。

9月1日は防災の日でした。大正12年の9月1日午前11時58分、震度7の大地震が東京を襲い、105,000人の尊い命を失いました。防災の日はこれを教訓として、広く国民が台風、豪雨、洪水、地震、津波などの災害についての認識を深めるとともに、災害に対する備えを充実強化するために、伊勢湾台風が来襲した翌年の昭和35年に閣議決定し制定されました。
もう一つの9月1日は「二百十日」です。これは立春から数えて二百十日目です。この頃は日本に多くの台風が来襲すると言われており、日本にとって重要な農作物である米の収穫時期にあたり、一年の努力が無駄になることもありました。9月1日はそんな意味深い日であります。
諏訪地方では平成18年7月の豪雨災害において、岡谷市を中心とし、死者・行方不明11名、床上浸水1,043棟を出す被害を忘れることは出来ません。
私は土地の評価を仕事としておりますので、少しその点についてお話し致します。土地の安全性については、宅地建物取引主任者(今は宅地建物取引士と改正)の試験に有名な問題がありまして、「谷の出口の土地は安全か。」というのがあります。谷の出口部分は一般的に水はけも良く、湧水の利便も良いので、宅地として利用が多いのですが、最も危険な立地であります。土石流が最も発生しやすい場所であります。
ところで皆さん、土砂災害防止法という法律をご存知でしょうか。これは土地の立地の評価において最も重要な法律です。これは平成11年の広島市における土砂災害を教訓とし出来た法律で、最近では平成26年8月に、これも広島で死者74名、負傷者44名の土砂災害があり、このため法律改正がなされております。
土地を購入する時は、特に特別警戒区域(通常レッドゾーンと呼ばれていますが)に気を付けて頂きたいと思います。これが最も危険な場所で、この地域内では、特定の開発行為に対する許可制、建築物の構造規制、建築物の移転勧告がなされるエリアです。各市町村の防災マップには必ず出ておりますので、土地を購入する場合調査は必須です。
このレッドゾーンの周辺には警戒区域といわれる区域がとりまいております。これをイエローゾーンといいます。このエリアは、土砂災害の可能性があるエリアとなります。
区域の指定には3つあり、土石流、急傾斜地の崩壊、地滑りの指定でありますが、諏訪地方では地滑りの指定はほとんどありません。一番多いのが、茅野市で、土石流の特別警戒区域が155箇所、急傾斜地の崩壊の特別警戒区域が457箇所となっております。
最近日本の気候が亜熱帯化してきておりますので、土地を購入される時には特にご留意頂きたいと思います。又、最近は地震のリスクも高まっております。平地であっても災害に対する備えは怠らない様にしたいと思います。
以上で会長の挨拶とさせて頂きます。

皆さんこんにちは。本日は2人の新会員の入会式が行なえるということで、大変嬉しく思っておりますが、クラブテーマの「見つめ直そう。ひとりひとりがロータリー」についてお話ししたいと思います。
7月1日から茅野ロータリークラブの会長をお受けして一番悩んでいることは、〔ロータリーを一言でいうと何なのか〕ということであります。 茅野クラブは諸先輩のご努力により現在メンバー数が本日で57名となり諏訪地区では一番多い人数となっています。若く希望に満ちた新会員を迎えるにあたり、ロータリーとは何かを一言で伝えることは非常に難しいことであります。会長をお引き受けするにあたり、ロータリーに関する各文献をあたりましたが、まだなかなか読みこなせていないのが実状です。
ロータリークラブは、自分自身の職業奉仕を基本としているということです。対外的に目立つ事業をするのではなく、あくまでも自分ひとりひとりがロータリーの原点であります。
文献の中で3つ程これかな、というものがありましたのでご紹介致します。まず1つ目は米山奨学会の創始者である米山梅吉さんが言っておられますが、「ロータリアンの不平には3種類ある。その一つは、飽きる一向につまらぬと言って出席しない人。これはどこの団体にもあることで致しかたない。その二つは、ロータリーの活動が足りない、もっと社会的にも政治的にも口を出せと力瘤を入れる人。その三つは、ロータリーは何処に行くのかと悲観する人である。ロータリーには見えない仕事があり、目立たないところに妙味がある。」と。米山さんに続いて二代目ガバナーになられた井坂孝さんは言われました。「ロータリーは着物の裏を整えて着心地を良くするような仕事をしている。身体に密着するのは表でなく、着物の裏である。ロータリーも生活に密着して住み良い世の中を作ろうとしている。最近のロータリーは表生地の良さだけが論じられることが多いようですが、もっと裏生地の良さ、仕立ての良さを評価されなければならぬと思います。」と。三代目ガバナー村田省蔵さんは、「ロータリーは銭湯の如し。着物を脱いで裸になれば身分はない。浴槽に一緒に浸って本音で語り合う。」とおっしゃっております。
又、2014―2015年度ロータリーの関連資料に決議23―34が出ております。これはロータリークラブについての決議ですが、ロータリーのあり方について書かれておりました。その中には「ロータリーはひと固まりとなって行動するだけで足りる様な事業よりも、広くすべてのロータリアンの個々の力をそれぞれ動員することの方がロータリーの精神にかなっている。ロータリークラブでの社会奉仕活動は、ロータリークラブの会員に奉仕の訓練を施すために考えられた、いわば研究室の実験としてのみこれを見るべきである。」と書かれておりました。少し翻訳が良いかどうかわかりませんが、ここには同じ奉仕団体であるライオンズクラブとの違いが書かれている様な気がいたしました。
本日は2人の新会員ををお迎えするにあたり、まだ理解途中でありますが、ロータリーについてお話し致しました。以上で会長挨拶とさせて頂きます。