「大震災被災地での身元確認作業体験談について」
やつがね歯科医院 中村達弥 院長
このたびの東日本大震災における遺体の身元確認作業に携わられたときの体験を、報道では見ることの出来ない被災地の現状や、先生が作業されていた石巻の遺体安置所の写真(被災地の方々や警察の方々が、多くの人に伝えてくださいとのことで撮影したもの)を見せていただきながらお話をいただきました。
未曾有の災害であり、報道での限られた情報しかない中、ライフラインが壊滅状態の所へ衣食住の全てを自らの責任において行わなければならないという多くの心配や、想像も付かない不安のある中「残された家族の方々に一刻も早く亡くなられた方々を会わせてあげたい」という一心で現地に向かい、作業に取り組まれたそうです。その被害状況は報道で見たものとは比較にならないもので、一体は瓦礫の山で言葉にならない悲惨さ。遺体安置所には泣き崩れる家族。そこでは悲鳴・嗚咽・怒号が絶えなかったそうです。
先生はここで学んだこととして、災害は時も、場所も、大人、子供あるいは老人など、選ぶことなく襲い掛かってきます。人間は決して自然には太刀打ち出来ない(無力である)こと、それゆえ災害に備えなければならないこと(危機管理体制の整備)、そして人の命の尊さ、日常の当たり前の生活が出来ることの有難さを強く感じたと仰られていました。
最後に、この災害を忘れてはいけないということ。中村歯科医院では被災地の惨状や、先生の活動の様子を撮った写真などを展示したり、災害のことを忘れないようにと「3.11」の日付け刻んだ歯ブラシを販売して義援金を集める活動も行っており、一日も早く復興されることを願い、今後も長く自ら出来る範囲で支援を行っていきたいとのことでした。
中村先生貴重なお話を有難うございました。
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Last Update:2011年10月12日