7月20日 卓話

会員卓話   藤沢武則 会員
 東北地方太平洋地震が3月11日にあり、県内でも栄村や松本でも起こりました。建築関係から考えますと、大きな地震のあと法規が変わります。建築関係は、地震や台風・積雪等に対して建物に安全が要求されますが、自然の猛威によらず、建物が徐々に傾いたら欠陥建物として避難を受けます。
 しかし禍転じて福となり「ピサの斜塔」はガリレオが物質の落下実験でも有名ですが、傾いた建物が年間数十万人以上の観光客を引きつけています。イタリア中部の古い商工業都市にある斜塔は12世紀から完成まで200年を要したと云われています。建て始めて間もなく傾きだし、修正する努力も実を結ばず3人の建築家が失意のうちに放棄したと云う難工事です。なぜ傾いたかは、塔を支える支持地盤に欠陥があったわけで、塔直下に厚さ10mの砂層があり、支持上問題がない様ですが、南側の砂層がややゆるめだったとの事。着工して間もなく傾いたのはこの為と云う事です。ピサの斜塔は今日まで約800年間沈下をし続けているとの事。1990年に10年かけて傾斜角を是正する為に改修工事が行なわれました。北側の地盤を掘削する工法が採られた様です。この為に少し傾斜も修正され、2001年に作業が終了し、公開は再開された様です。ちなみに傾斜角8.4°に達すると転倒するとの事(現工図書による)。
 いかに見えない地下の地盤の判断が難しいかを話す予定でしたが、時間の都合にて少し茅野市の地盤について簡単に説明しますと、旧20号線から上八ヶ岳方面は砂礫層で、大変良い地盤であり、ベルビア、市民館、市役所等も良好な地盤上に建っております。


Last Update:2011年07月20日