8月24日 会長挨拶

 お盆休みに考えました。8月15日は終戦記念日でした。この15日という日付にはとても考えさせられるものがあります。調べてみると、連合国側からの降伏勧告でもあるポツダム宣言が発表されたのは7月26日です。8月6日広島原爆投下、8月8日ソ連参戦、8月9日長崎原爆投下。8月10日御前会議でポツダム宣言受諾決定、連合国へ申入れ。8月14日御前会議で、ポツダム宣言受諾決定。8月15日終戦。
 ある新聞の記事で、この時に内閣でポツダム宣言受諾を閣議決定出来なかったことが、戦後の内閣法の改正につながって、総理大臣の権限が強化され、管総理の延命につながっているという記事がありました。この記事では「歴史に“もし”は無いけれど、閣議決定が早く出来れば、長崎原爆とソ連参戦シベリア抑留は避けられたかもしれない」と報じていました。私の父親は現役兵でソ連満州国境に居て、以後昭和24年9月の帰国まで丸4年を超えるシベリア抑留の経験者です。昨年成立した「シベリア特措法」によって、つい最近35万円支給されたといって複雑な顔をしていました。
 一国のリーダーの決断は、かくも重いものだと思います。昭和20年の内閣が1週間早く決断出来れば、ポツダム宣言をすぐに受諾していれば、どの位の人命が助かり、どれだけ多くの犠牲が軽減されたかを思うと、現在の民主党代表選びの重大さに思いを至らせざるを得ません。大震災、円高、株価暴落…大変な難局にある日本のリーダーの重要さに変わりは無いと思います。
 ただこれだけ困難な状態にある日本の通貨円が、ドルに対してもユーロに対しても、ひとり上がり続けているのは、なんとも不思議な状況です。大震災があっても、政治がこれだけ混乱していても、ドルよりユーロより円の人気が高まるとすれば、もし安定的な政権が出来たら、円は一気に1ドル=¥50というレベルになるのかも知れません。政治の安定が一層の円高をもたらすとすれば、それは皮肉としか言いようがない事態です。


Last Update:2011年08月24日