1615回 副会長挨拶

本日は小尾会長不在のため代理を務めさせていただきます。

諏訪地方も桜が開花して良い季節となりましたが、あいにく寒さがもどり、雨の日が続いたりしています。

そこで今日は、毎日快適に過ごすために重要な涙についてお話ししたいと思います。

健康な人なら、普段は涙が重要な働きをしてくれていることは意識していないと思いますが、涙が出ないととっても困ることになります。

我々人間はいろんな理由で涙を流します。悲しい時うれしい時などに流す感情的な涙と自然に出てくる生理的な涙があります。

まず感情的の涙は、たとえば悲しいときには副交感神経が刺激され急にどっとあふれ出て薄くて水っぽい涙になります。また怒ったときなどは交感神経が刺激され量は少なく濃くて辛い味がします。

一方自然に出る涙、生理的な涙は、瞬きによって出て来ますが、一年間で約牛乳瓶1本ぐらい出ると言われています。この生理的な涙がとっても重要な働きをしています。眼にはいる埃ゴミ等を洗い流す清浄作用や細菌などへの殺菌作用、角膜に栄養や酸素を運んだり角膜の乾燥を防ぐ働きをしている。角膜という組織は本来栄養を運ぶ血管がないので,その代わり涙を介して栄養や酸素が供給されています。涙には目にとっていろんな有用な成分が含まれています。また空気中の酸素を涙に溶かして角膜に供給しています。角膜を透明に保つため酸素がとっても重要です。だから涙が不足すると角膜は酸素不足になって白く濁ってくるようになります。いわばものを見る機能が障害されてきます。逆に涙がいっぱい出る状態もあります。眼に異物が入ったとか角膜に傷が付いたり、あるいは花粉症等眼の炎症が起こった時などです。これは目の異変に対して、何とか目を守ろうとして涙ががんばってくれている状態です。

車のフロントガラスを角膜にたとえると、フロントガラスに雨粒が落ちてくると,雨粒はその場にとどまらず下にながれて落ちていき、そのフロントガラスの表面にとどまっていませんし、その雨粒は視界を遮ってしまいます。一方眼の表面は涙が均一にコーティングされその表面に長くとどまることが出来ます。それはどうしてかというと涙は眼の表面で3層の構造になっています。涙の一番外側が油の層、その下に水の層、角膜表面に接している一番内側に粘液層というように3層になっておりこれがうまい具合に働き、角膜表面を安定的に潤しているわけです。これらのどの層でもそこに欠陥が生じるとドライアイになります。

ドライアイの人がたくさんいるんですが、涙が出ないと言うことではないんです。涙が出るけど乾きやすいという方が多いです。ドライアイになると「ごろごろする、痛い、まぶしい、涙が出る、疲れる、重い、乾く、悲しくても涙が出ない、かすむ」等の症状が出ます。ひどくなれば眼をあけていられなくなります。

こうして多かれ少なかれ日常生活にも影響が出て来ます。涙が十分出て目の表面が潤うということが日常生活を快適にすごすのに大いに関与しています。

以上、意識せずに出ている涙はとっても重要な働きをしているでというお話をしました。


Last Update:2015年04月15日