皆さんこんにちは。今日は弁護士の竹村先生の卓話ということで、大変楽しみにしております。実は、私は裁判所とご縁がありまして、長野家庭裁判所の調停委員をさせて頂いて25年目となります。裁判所は比較的なじみの薄い役所でありますが、当クラブでも牛山武明さん、北原重信さんも関係者であり、柳澤孝男さんは現役です。
私の仕事は不動産鑑定士ですので、土地建物等のトラブルが専門と思いきや、タイプが向いているのか、家事事件、特に離婚について担当が多いです。日本の大きな法律問題につきましては、竹村先生にお任せすることと致しますが、最近の身近な法律問題について少し傾向を述べさせて頂きたいと思います。
最近増えている離婚については、まず親権の帰属の問題、次は養育費の問題、財産分与の問題、そして不貞等の場合慰謝料の問題があります。当クラブではもうあまり関係がないと思いますが、養育費の金額は、裁判所のホームページで当事者の収入および子供の人数等で、マトリクス型の算定表が掲載されております。ちなみに夫の収入が年間700万円で、奥さんの収入が年間200万円程度で、子どもが2人いる場合は、子ども1人当り40,000円前後となっております。義務者と権利者の収入の違いで、養育費の額は異なってきます。熟年離婚については少しやっかいですが、そこそこ財産を持っているので、その財産把握と分け方が難しいと思います。少し勘違いをしていると思われるのは、実際稼いでいる人が財産を多く分配されるのではなく、家庭を守っている奥さんの協力で資産形成されると考えるので、基本的には折半ということになるのでご留意下さい。
最後になりますが、最近長生きになってきたので、認知症の問題が多くなってきています。これに対して「成年後見人の制度」というのがあり、裁判所で増えつつあります。認知症が進行した場合は自分で預貯金がおろせなくなるので、本人にかわり介護等にかかわる人の認定制度です。私は参与員ということで、裁判所で成年後見人の適格性を審査する仕事にも携わっております。時代とともに、法律関係も変化してきていると思われますので、時間がありましたら、又、法律問題につきましてもお話ししたいと思います。
本日は竹村先生におかれましては、ご多用の所お時間を頂き大変感謝申し上げます。どうぞ宜しくお願い致します。以上をもちまして会長挨拶とさせて頂きます。
Last Update:2015年09月16日