1683回 会長挨拶

先週の24日の大雪には、本当にびっくりしましたが、都心で11月に雪が積もったのは、気象台が明治8年に観測を開始して以来初めて、都心の11月の初雪は昭和37年以来54年ぶりだそうです。この辺でも、11月に15cmも雪が積もったのは、私の記憶にありませんので、正確なことは言えませんが、何十年ぶりのことではないかと思います。

この大雪で喜んだのは、たぶんスキー場関係者の皆さんと、寒天屋さんではないかと思いますが、逆にゴルフ場関係者の皆さんにとっては、シーズンの終わりが雪でクローズになってしまって、大打撃だったのではないかと思います。

私も、26日の土曜日、チェルトの森で今シーズン最後のゴルフの予定でしたが、金曜日に早々と電話があり「クローズです。」と言われてしまいました。

最近は、3回連続でバーディーがでて、11月3日に87で回って以来、93・91・93・92と11月は絶好調でしたので、ぜひ最後、80台で回って、気分良くシーズンを終わりたかったんですが、ほんとに残念です。

もう一つ、ゴルフの話で、ゴルフをやらない方には、大変恐縮なんですが、松山秀樹の話をしたいと思います。

松山は、10月の日本オープンの優勝を皮切りに、1ヶ月で4戦3勝、2位1回で、荒稼ぎした賞金は、実に3億3000万円。世界ランキングも自己最高の6位で、向かうところ敵無しの状態ですが、そのウラで、ある異変が取り沙汰されています。

松山はダンロップと3年9億円に上る大型契約を結んで、ダンロップのスリクソンZR-30というドライバーを愛用していました。ところが、アメリカツアーの初戦から、キャロウェイ製のグレイトビックバーサを使い続けています。

アメリカに本社を置くキャロウェイは、石川遼のスポンサーとしても知られる、ダンロップのライバルメーカーです。

松山の快進撃を商機につなげたかったダンロップにすれば「ため息」どころの話ではありません。メーカーにとってドライバーは、一般ゴルファーの買い替え需要が見込める主力商品で、ブランドイメージにも直結するため、キャロウェイに乗り換えられたのはかなりな痛手です。

ロゴの入ったクラブのソール部分を黒く塗りつぶして分からないようにして、スポンサーへの最低限の配慮はしていますが、実戦でライバル社のクラブを使うこと自体、重大な契約違反ではないのか?という疑問が浮かびます。

その点をダンロップの広報担当に聞いたところ、「確かにキャロウェイのドライバーを使っていますが、弊社の担当者も合意の上です。」と答えたそうです。

松山自身がキャロウェイのドライバーを使いたいと言い出したそうです。

ライバル社が勝手に売り込んだのなら大問題ですが、自分たちがプロの要望に応えるクラブを作れていない以上、文句は言えません。

では、松山はなぜここに来てクラブを変えたのか?その理由はドライバーのタイプの違いにあります。松山がこれまで使っていたZR-30は、ヘッドの体積が420ccと小さく、ボールを捕らえにくいプロ仕様のクラブでした。対するグレイトビックバーサの体積は460ccで素人にも扱いやすいドライバーです。車にたとえると「F1カー」と「ファミリーカー」ほどの差があります。

ただ、ドライバーを変えてからも、飛距離やフェアウエーキープ率は変化していません。

松山の得意であるアイアンとパターに集中するため、神経を使わなくても、安定したティーショットが打てるドライバーを選んだ、ということです。

とは言え、松山効果は絶大で、グレイトビックバーサはファンの間で注目の的になっているそうですが、このクラブはすでに廃番モデルで、中古用品店では値段が急騰し、在庫も無い、ということで、キャロウェイとしては、全く旨みがないそうです。

結局、ライバル社同士のマッチプレーは、痛み分けに終わったということです。

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Last Update:2017年01月19日