いよいよ師走、早いもので、今年も残り1ヶ月を切りました。60を過ぎると、余計早く感じます。
12月1日には、2016年の新語・流行語大賞が発表されました。
トップ10には、スマホゲームの「ポケモンGO」や豊洲市場の「盛り土」、ピコ太郎の「TPP」ではなく「PPAP」や「マイナス金利」も選ばれました。私はこれでしっかり稼がしていただきました。
なるほどというものが並んでいるわけですが、大賞には「神ってる」が選ばれました。
「神ってる」というのは、25年ぶりに優勝した広島の緒方監督が、2試合連続サヨナラホームランを打った鈴木誠也選手の活躍を表現した言葉ですが、世界で一番「神ってる」のは、あれほどの暴言を振りまきながら、次期アメリカ大統領の座を射止めた、ドナルド・トランプ氏ではないかと思います。
トランプ氏はアメリカでは不動産王として知られていますが、海千山千の勝負師でもあります。
トランプ氏は、1990年、自身の所有するニュージャージー州のアトランティックシティにある「トランププラザ・カジノ」で1人の日本人と2度にわたって死闘を繰り広げました。
その日本人というのは、山梨県の不動産業兼貸金業者「柏木商事」の柏木昭男社長です。
柏木社長は、オーストラリア北部のダーウィンにある「ダイヤモンド・ビーチ・カジノ」で4日間バカラをやり続け、29億円もの大金を手にし、その世界ではハイローラー、つまり高額な賭け金を張る上客、として知られていましたが、トランプ氏は柏木社長に目をつけ、バカラ勝負を申し出ました。
バブル真っ只中の90年2月11日、マイク・タイソン対ジェームス・ダグラスのタイトル戦が東京ドームであり,観戦のため来日していたトランプ氏は、前日のパーティーで柏木社長に会いました。
直後にアメリカで再会した2人は勝負に臨み、わずか10時間の勝負で柏木社長が600万ドル、当時約9億円勝ちました。
5月の再戦では、6日間にわたるバカラゲームでトランプ氏が勝ち、1000万ドル、約15億円を奪還しました。
柏木社長は日本に戻りましたが、数日後「ウォールストリートジャーナル」の一面に、世界で最も派手なギャンブラーとして、彼の記事が掲載されました。
柏木社長はさらにアメリカやオーストラリアのカジノで多額の損失を出し続けました。地下社会の筋から借金してまでバカラ勝負に明け暮れ、92年の正月、河口湖畔に建つ、総ケヤキ造りの自宅の台所で、日本刀でめった切りにされ、死体となって発見されました。 事件は未解決のまま時効を迎え、犯人は結局捕まっていません。
一説には、数億円もの借金を踏み倒されたトランプ氏の所有カジノの筋が、アメリカ地下社会の殺し屋に依頼し、暗殺計画を遂行したとも言われています。
このエピソード一つとっても、トランプ氏のある種の凄さを見せ付けられたような気がしますが、大統領選挙でも、この勝負師としての凄さ、底力で勝利を手にしたのではないかと思います。
トランプ氏にとって大統領選挙は、史上最大のギャンブルだったのかも知れません。
Last Update:2017年01月27日