1662回 会長挨拶

本日は私の好きなラーメンの話をしたいと思います。私の知っている範囲では、四つの系統があります。ます節系ですが、鰹節や鯖節など魚をスープに使用したラーメンの総称です。次に寅系といいますが、白川ラーメン「とら食堂」を源流としたラーメンの総称で、平打ち麺のあっさり醤油です。三番目は家系で、横浜の「吉村家」(ヨシムラヤ)を源流としたラーメンの系統で、太麺の豚骨醤油味です。四番目は二郎系で「ラーメン二郎」を源流としたラーメンの総称で、濃厚背脂醤油味のこってりしたラーメンを言うそうです。
次にラーメンの歴史についてお話し致します。日本で最初にラーメンを食べた人は、水戸黄門と言われています。1665(寛文5)年、中国の文化を学ぶために朱舜水(しゅしゅんすい)という儒学者を水戸に招いて勉強をしていた水戸黄門は、いつものお礼にとうどんを作ってあげたそうです。朱舜水がこのお返しとして作った中国の麺料理が、ラーメンのルーツと言われています。レンコンから作った麺で、味付けは塩。その後ラーメンが一般市民の間に広まり始めるのは、明治時代に入ってからのことです。外国人の居住が認められた居留地などで、中華料理店や屋台でラーメンが提供されるようになりました。
次に登場するのは醤油ラーメンです。中国の麺料理が日本のラーメンに変わります。1910年に創業した東京浅草の「来々軒」がその元祖と言われています。店主が横浜の中華街から中国人コックをスカウトして開業しました。東京は濃い口醤油の文化。それまでラーメンといえば塩味のスープでしたが、それでは流行らないと考え、醤油ダレにしたところ、大ヒットとなり、店は大繁盛。スープには豚骨だけでなく鶏ガラを加え、より深みのあるスープに仕上げ、シナチクやチャーシューのトッピングを載せました。現在の東京ラーメンのスタイルです。
三番目に登場したのは、白濁したスープのとんこつラーメンです。1947年に創業した福岡・久留米の店「三九」(サンキュー)がその元祖と言われています。ある日、手違いでスープを強く炊いてしまい、白く濁らせてしまいます。当時の常識では失敗ですが、試に味付けして飲んでみたら、実に深みとコクのある味だったことから、とんこつラーメンが生まれました。
そして四番目に登場したのが味噌ラーメン。札幌「味の三平」が元祖です。客のリクエストから、豚汁にラーメンの麺を入れたところ大好評。店主が全国を回ってスープと相性の良い味噌を探し、何度も試作を繰り返し、1961年には、味噌ラーメンが正式メニューに加わりました。
中国から日本に渡ってきた麺料理は独自に発展し、日本のラーメンとなったそうです。以上ラーメンの豆知識でした。

1661回 会長挨拶

本日は、前回の会長挨拶に引き続き防災の話をさせて頂きたいと思います。熊本での大地震に関しましては、5月6日に東海高校に出向き、例会時に募金して頂きましたお見舞金を田中校長先生に差し上げてまいりました。大変感謝して頂きました。
さて、熊本地震につきましては、改めてその恐ろしさを実感した所であります。各市町村におきましては、地域ごとに揺れの強さを示した「揺れやすさマップ」と建物が地震により倒壊する割合を示した「地域危険度マップ」があります。是非この機会に自分の住んでいる地域について、再認識をして頂きたいと思います。
皆さんご存知の事と思いますが、地震には海洋側のプレートの滑り込みの反動によって発生する海溝型地震と、陸地の地殻における活断層のズレによって発生する活断層型地震があります。私たち日本人は、この5年間にこの2つの類型の大きな地震を体験致しました。
それでは地震の大きさについて再確認したいと思います。マグニチュードとは地震の規模を示す単位です。関東大震災はM7.9、阪神淡路大震災はM7.3、東日本大震災はM9.0、熊本大地震はM7.1でした。Mが0.2大きくなると地震のエネルギーの規模は約2倍に、またMが1大きくなると規模は約32倍になります。これに対して震度とは、各場所の揺れの大きさを示します。その地点が実際どう揺れるのかは地震のエネルギー規模だけではなく、震源からその地点までの距離、地盤等の条件に左右されるそうです。それではマグニチュードと震度との関係についてですが、電球の明るさと机の上の明るさとの関係に例えられます。同じ電球からの光でも、机がどの位置にあるかで机の上の明るさは変わります。したがって、マグニチュードが同じ地震であっても、震源が遠ければ震度は小さく、震源が近ければ震度は大きくなります。
幸い私たちの住む諏訪地域は、海から遠く立地するので、津波を伴う海溝型地震の影響は小さいと思われますが、活断層型地震の可能性は十分あります。
諏訪エリアは、諏訪湖を横断する活断層の大熊断層、その北側には諏訪断層群が存し、又、大熊断層の南側には諏訪湖南岸断層群が位置しております。大変恐ろしい話ですが、糸魚川静岡構造線(フォッサマグナ)における地震については、推定マグニチュード8程度で、今後30年以内の地震発生率は14%、東海地震においては、場所は静岡県沖で推定マグニチュード8程度で、今後30年以内の地震発生率は87%となっております。原発の問題も併せて心配となります。災害については対岸の火ではなく、自分のこととして防災意識と防災準備を怠らない様肝に銘じたいと思います。

1661回 会報

例会の様子はこちら  → RC1661

1660回 会長挨拶

4月14日及び4月15日、熊本県において最大震度7という大地震が2度も発生致しました。熊本城も見るも無惨な姿となりました。亡くなられた方々のご家族に対し、心より哀悼の意を表したいと思います。
私たちは日常においても災害の可能性を認識せざるを得ません。皆さんは「特別警報」という言葉をご存知ですか。気象庁は大雨や強風などの気象現象によって災害の恐れがある時にまず「注意報」を、そして重大な災害が起こる恐れのある時に「警報」を出します。大雨については注意報が1時間に25mm以上、警報は1時間で40mm以上です。又、洪水については、注意報が24時間で70mm以上、警報が24時間で110mm以上となっております。気象庁はこれに加え、この警報の発表基準をはるかに超える豪雨や大津波が予想され、重大な災害の危険性が著しく高まっている場合に「特別警報」を発表し、最大限の警戒を呼び掛けます。特別警報が出される可能性のある場合については、①18,000人以上の死者・行方不明者を出した東日本大震災における大津波や、②我が国の観測史上最高の潮位を記録し、5,000人以上の死者・行方不明者を出した「伊勢湾台風」の高潮、③紀伊半島に甚大な被害をもたらし、100人近い死者・行方不明者を出した「平成23年台風第12号」の豪雨等が該当します。
「特別警報」は、気象庁が発表する「最後通告のような情報」です。重大な災害が差し迫っているか、重大な災害が進行中の状況で発表されますから、「命を守る行動を」がキーワードになります。
つまり、すでに浸水が発生しているなど、避難が間に合わない状況になっている可能性もあり、その場合、崖の近くなら、崖から離れた部屋などに避難することが必要という意味です。また、まだ避難ができる状況であれば、浸水などが発生する前になるべく早めに避難を行うことが必要です。
特別警報には、大雨のほかに、暴風、高波や高潮、地震、津波、火山の噴火がありますが、さまざまに細分化された情報が増えております。「特別警報」は気象庁が発表する情報の中で最も危険度の高いものですから、発表された際には早急な対応をとらなければなりません。また、「特別警報」は都府県程度の広さで危険な状況にならないと発表されないものですから、特別でない警報や土砂災害警戒警報、河川の洪水警報などが出された時にも、やはり早めの対応が必要だそうです。以上、災害についての豆知識として是非覚えておいて下さい。
以上で会長の挨拶と致します。

1660回 会報

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