1648回 会長挨拶

本年2016年は丙申(ひのえさる)の年ということで、この年回りについてお話ししたいと思います。
丙は「火の兄」が語源になっているそうです。又、申は「金」の性質とされているそうです。陰陽五行説によれば、火は金を溶かす。つまり、「丙申」の組み合わせは「丙」が「申」に打ち勝つということで、「相剋」といい順調ではない年になる様です。
又、「丙申」の文字の意味から考えると、まず「丙」という字は「明らか」という意味があるそうです。これに対して「申」は「呻く」という意味があるそうです。語源は樹木の成長に例えると、果実が成熟していって固まっていく状態をあらわすそうですので、両者を総合すると、これまでの頑張りが形になっていく年の様です。
「丙申」は十干と十二支の組み合わせのため60年に一度やってきます。私もちょうど60才を回った所なので、ちょっと60年前を思い出してみたいと思います。
1.1956年(昭和31年)は「もはや戦後ではない年」と経済白書に書かれた年であり、日本では神武景気といわれた時期です。三種の神器(テレビ、冷蔵庫、洗濯機)が出現した時代でもあります。
2.国際的には、日本が国際連合に加盟し、ソ連では1956年にフルシチョフが独裁だったスターリンに対し、死後その横暴ぶりを暴露した年でもあります。
3.日本においては、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸がこの年に政令指定都市になりました。大都市の概念がこれにより明確となりました。
4.芸能界では、石原裕次郎のデビュー作である「太陽の季節」が公開され、「太陽族」という言葉はこの時にできた流行語です。これがきっかけで、石原裕次郎は国民的なスターになります。
5.又、アメリカでは、エルビスプレスリーが全米チャートで1位になり、不動の人気を得ていく最初の年であったそうです。
まさに今年は御柱の年であり、「形が明らかになっていく年」ということで大変たのしみな年になりそうです。皆さんも、身の回りについて 何を形にする年なのかを考えてみたらどうでしょうか。
以上で会長の挨拶とさせて頂きます。DSC03830

1647回 会報

例会の様子はこちら  →  RC1647

1647回 会長挨拶

今日は茅野市長さんに卓話をして頂く例会ですが、それに先がけて、少し縄文の話をしたいと思います。
私たちは案外自分の地域について知らないことに気づかされます。皆さんは縄文検定という言葉を知っていますか。例えば
①国宝土偶の縄文のビーナスが作られた年代は?
②尖石遺跡は国の何に指定されているのか?
③茅野市内に人が住み始めたのは何時代か?
これは、過去の初級検定で出題された問題です。これにパッと答えられる人はどの位いるのでしょうか。
観光都市茅野市の市民における「おもてなし」の前提として、まず自分の地域を知っておくことは 非常に重要なことだと考えます。
この検定は尖石考古館で行なっており、初級、中級、上級の3段階があるそうです。ちなみに 私の姪は中学生ですが中級に合格し、市長さんからお褒めの言葉を頂いたそうです。
「縄文」で飯が食えるか なんて心無い発言も聞かれますが、観光都市の市民として、県外の方に対し恥ずかしくない対応をしたいと思います。
市長さんからお話があるかもしれませんが、縄文時代の精神として、助け合いの精神である「友愛の心」、「自然との共生」、「創造の心」等、現代人が失いかけているものがそこにはあると考えます。
新国立競技場のB案(残念ながらA案でしたが)は、下諏訪町で1歳半から中学まで育った伊東豊雄さんの設計であり、72本の御柱をモチーフとしていたそうですし、十日町の聖火台誘致もまさしく現代に縄文文化を取り入れる試みの様な気がしております。
尚、縄文検定のほかには、山梨県の北杜市のNPOが主催している八ヶ岳検定という有料のご当地検定もありますので、これからもっと地域について勉強したいと考えております。せめて、縄文検定の初級位はロータリアンとして取得しておいた方が良いのではないでしょうか。個人的ではありますが、私の今年の目標としたいと思います。
DSC03818

1646回 会報

例会の様子はこちら  →  RC1646

1646回 会長挨拶

 新年あけましておめでとうございます。どうぞ今年も宜しくお願い致します。本日は、昨年11月14日に役員とゴルフ同好会とで訪問しました十日町の話をさせて頂きたいと思います。
 現在、行政並びに商工会議所レベルでは交流が進行中であり、最近決まりました新国立競技場の聖火台に縄文国宝の火焔型土器を採用する様国に働きかけている地域でもあります。
 11月が2度目の訪問でありましたが、素朴で非常に暖かな人柄の人が多いという印象を受けました。大変縄文に対して熱心であり、現在のRCの会長である福島さんは、茅野市の縄文祭を視察に来るほど、縄文を切り口にした街づくりに熱心であります。そして深い雪国ならではの独特な文化を持つ土地柄をしたいと思います。
 5月の御柱祭には、縄文の歴史博物館である十日町市博物館の館長さんをはじめとして、十日町RCの会長、幹事さん達をご招待する予定ですので、話のネタとしてお聞き下さい。
 まず1つ目ですが、十日町の着物産業であります。十日町では雪に囲まれる冬の副業として、麻やカラムシの繊維(アオと呼ぶ)を使い、織物を作ることが盛んでありました。江戸時代には緯糸を強く捻って布にシボを作り出す改良が加えられ、「越後縮」として全国に出荷されました。又、江戸の末期には、絹織物も行われる様になり「十日町絣(かすり)」の産地となりました。戦後は「マジョリカお召」や「黒羽織」を開発したことにより急成長し、染と織の技術により、昭和51年には581億円の売上げを記録したそうです。現在はやや低迷をしている様ですが、今日私と幹事がつけているネクタイは、茅野の仮面の女神をデザインし、十日町で作られた物です。ちなみにこれは北原享さんの店で売っております。
 次に紹介したいのは「へぎそば」です。「へぎそば」とは新潟県魚沼地方発祥で、つなぎに布海苔という海藻を使ったそばを、「ヘギ」といわれる器に盛り付けた切りそばです。「ヘギ」とは、はぎ板で作ったもろ蓋の様な四角い器であり、冷やしたそばを小さな束にして「ヘギ」に盛り付けて出されます。このそばの由来は、織物に使っていた布海苔を誤ってそば粉に落としてしまったのが始まりといわれていますが、つるつるとしたのど越しは最高でありました。
 3つ目に紹介したいのは、宴席の作法であります。十日町といえば魚沼産コシヒカリのメッカであり、米どころでおいしいお酒が作られております。私たちが訪問して感動したのは、十日町に伝統として脈々と流れる「天神ばやし」という祝い唄であります。酒宴の前には必ずその祝い唄を唄い、宴席が開始されます。大変情緒のある唄ですので、是非お聞き頂きたいと思います。十日町ロータリークラブの会長さんは大変な名手ですので、御柱祭にお見えになったときは、是非生の唄を聞いて頂けると思います。
 十日町の天神ばやしをお聞き頂き、会長の挨拶としたいと思います。

十日町で唄い継がれている「祝い唄」 十日町地方の祝言でまず最初に唄われるもの
  「~めでたいものは  大根種 大根種
   花がさきそろうて  実のやれば
   俵 かさなる
   花がさきそろうて  実のやれば
   俵 かさなる           」

DSC03806