11月16日 会長挨拶

 先週お話しした通り、オリンパスの粉飾決算事件のお話をしたいと思います。オリンパスの事件は、原発事故と同じ影響をもたらします。大王製紙の事件もあって、外国からは、日本の企業統治(コーポレート・ガバナンス)や、監査はどうなっているんだ、という批判の声が上がっています。
 THE NIKKEI WEEKLY誌は「オリンパスの病弊(Malady)は日本の病弊でもある」という見出しで、日本株式会社の病気だと論評しています。「それ自体を調査することが出来ない取締役会と、内視鏡メーカーは、日本株式会社に対する信用を蝕んだ。」という小見出しを付けて、日本ブランドに傷が付いたことを嘆いています。
 以前にジャパンプレミアムといって、海外で資金調達する日本企業には割増金利が付いていたことがあります。日本企業は、会計が日本基準で世界と違っていて、ディスクロージャーが十分でないので、リスクが高いということでした。この事態の再来を心配しています。
 オリンパスは、上場廃止は免れないかな?と思いますが、オリンパス社が今後どうなるということより、この事件によって傷ついた日本株式会社のブランドを、どう再構築していくかの方がはるかに大きい問題だと思っています。


Last Update:2011年11月16日